サンフランシスコでweb開発者として就職活動をした
もう1年半も前の話なのですが、2017年3月からビザなし(ESTA)で滞在できる期間、大学を休学してサンフランシスコ(SF)でweb開発者としてフルタイムの仕事(インターン)探しをしていました。
はじめに
SF滞在中いろんな日本の方にお世話になりました。本当に感謝しています。ありがとうございました。
結論として、SFの会社で働くという目標は達成できませんでしたが、それでも実際に赴いて活動したことで分かったことがあるのでSFで働くことを考えている人のために書いていきます。
一応書いておきますが、決して私は「日本はクソ!海外サイコー!」という意見を持っている訳ではありません。
当時のスペック
当時私は22歳で、大学3年生が終わるタイミングで休学しました。当時の開発者としての経歴を上げると以下のような感じになります。
まあ、こんな感じでweb系のコードならまあなんとか書けるっしょって感覚でいたつもりです。
渡米自体は結構前から考えていたので英語の勉強はやっていて、Skype英会話などでなんとか英語は話せる状態でした(TOEICは全然受けてなかったけど、大学入学時に受けた585点が当時の最高点数)。
きっかけ
SFに興味を持ったきっかけは2016年3月にあったTECHLAB PAAKのシリコンバレーワークショップへの参加でした。
この中でいくつかSFのスタートアップを訪れる機会があり、その感想として「SFで働きたい」という思いを抱きました。これが一番最初のきっかけです。
他によくサンプルを調べていなかったのでベルリンとかシンガポールとかをもっとよく調べるべきだったなという反省はあります。
そんなこんなでワークショップから帰国後すぐSkype英会話を始め、レジュメを作ってたまにSFの企業に投げるっていう作業を冬くらいまで続けていました。ちなみにレジュメは5000円くらいかけてネイティブチェックをしてもらいました。
10月ごろにUSインターンの斡旋サービスを使おうと思ってしばらくやり取りをしていたのですが、どうも思うような企業が見つかりませんでした。この斡旋サービスでインターンに行った人の話を聞くと、私が思い描く開発インターンではなく技術的に渋いシステムの保守が多かったです。
我儘であることは承知していたのですが、アジャイル開発ゴリゴリやってるスピード感あるスタートアップでどうしても働きたかったので結局斡旋サービスは使わないことにしました。
渡米
2017年の2月1日、偶然の繋がりでSFで会社をやっている日本人エンジニアである@chikathreesixさんに会いました。この方にSFで働くことについて相談したところ「私もSFで働こうと思ったことがあって、日本からレジュメ送っても返事すらなかったから実際にSFに行った」との意見をいただきました。この方はこれでシンガポールで働くことになったので、「自分もやってみる価値はある!」と思い渡米を決意しました。
ここからはめちゃくちゃ早くて、インターンを辞め指導教員に許可をもらって休学届を提出し住んでいた部屋を引き払って3月8日にSFへ到着しました。
渡米中やったこと
渡米中は以下のことをやって仕事を探していました。
- ミートアップで知り合ったweb系の人に「Could you refer me to your company?」って言いまくる
- 紹介で人と会う
- インターネット経由での応募
- カンファレンスに行く
ミートアップへの参加
メインの活動はミートアップ(meetup.com)への参加でした。SFでは毎日どっかしらで技術系のミートアップがあっていて、なるべくたくさん(1日3つとか参加した日もあった)行っていろんな人ととにかく喋りました。うろ覚えですが確か目標1日10人知らない人と話す、だったような気がします。
ちなみに1ヶ月くらい毎日ミートアップでずっと人と話していたら「この人前話したな」って人が増えてきて少しずつ友達が増えて楽しかったです。
紹介などで人と会う
@chikathreesixさんからSFにいるいろんな人を紹介していただいて、キャリア相談も含めてお話を伺いました。そしてたまにTwitterでSFにいるweb開発者っぽい人にDMしてアポとってお話聞きに行ったりもしました。
インターネット経由での応募
対面で会社の応募をしながらインターネット経由での応募も続けていました。合計100社以上、サービスやメールで応募しました。返事が返ってこないところは返ってくるまでメールを送りました。
カンファレンスに行く
Austinで行われたDockerconとPhoenixで行われたRails Confに行きました。ここでスポンサーしてる企業のブースに行ってインターン受け入れてないか聞いたり公式HPから申し込みしたりしました。
こういう大きいカンファレンスのスポンサー企業は外国人受け入れにも寛容であることが多いので働き口を探す時には指針になりそうです。
使ったサービス
ご多分に洩れず私もUSでよく使われる求人サービスを使っていました。
- LinkedIn(課金ユーザー)
- indeed
- Glassdoor
- Angelist
使い方としては、サービス上の応募に加えてサービスに求人出している会社の公式HPを調べてそこのRecruitページのメアドにレジュメを投げることが多かったです。
仕事を探して感じたこと
「アメリカの企業は学生に全然期待していない」というのがインターンを探していて一番感じたことです。
実際、インターンに応募してSkype面接をした時に学生であることを伝えたら「え?学生・・・jQueryって知ってる?」って聞かれたり、インターンの電話面接で学生であることを伝えたら「まず卒業してから応募してくれ」と言われたりしました。
そういえばミートアップで出会ったUCLA卒の人は卒業してから仕事が見つかるまで8ヶ月かかったって言ってました。
先日Mr. ベイエリアさんのこんなツイートを見て「ああ、やっぱりみんなそうなんだ」って思いました。
アメリカのIT企業、内部推薦無いと面接まで行けないし、内部の人は同じ国籍・人種・大学の友達ばかり推薦するので著しくアンフェアになってる気がするんだけど、これだけフェアネスが叫ばれている時代なのに、その辺のモラルはみんなとても低い印象がある。
— Mr. ベイエリア (@csstudyabroad) November 8, 2018
自分がアメリカで新卒就活してた時はコネも何も無かったので、30社(もっとかも?)応募して面接行けたのが2社。インターンは自分から応募したところは書類で全滅で、リクルーター/指導教官が電話かけてきた2社でインターンやった。コネ無しだとここまでどうにもならんのかとビビった記憶がある。
— Mr. ベイエリア (@csstudyabroad) November 9, 2018
(追記 20191127) 最近こんな記事が話題になっていました。これはアメリカで活動している中で非常によく感じていて、この記事を読んで「あー、そうだなそういえばー」という気持ちになりました。
どんな選択肢があるのか
日本の学生がSF(US)で働こうと思った時どんな選択肢があるのか、個人的観測からのオススメ度も含めて書きました。
(1) SFにある企業のOSSにコミットしまくる
オススメ度: ★★★★★
実際に雇ってくれるという保証はありませんが、コードバリバリ書ける人ならこの方法が良さそうです。GitHubからリクルーターに声かけられてSFで働いてるって人もいました。すごい。
(2) 日本企業のSFブランチで働く(もしくは逆)
オススメ度: ★★★★☆
このパターンは結構多いと思います。しかしそもそも1) その企業に入れるか分からない、2) SFに出向できるか分からない、っていう問題はあります。
(3) 斡旋サービスを利用する
オススメ度: ★★★★☆
intraxなどのUSインターン斡旋サービスは、開発環境にこだわりがなければ結構良い選択肢の一つだと思います。
(3) 起業する
オススメ度: ★★★☆☆
ちょっと極端な例なのですが、もしあなたにUSで事業を行うだけの大義名分があって起業が妥当だと思うのであれば行って自分で会社をやるのが早いです。事務手続きめちゃくちゃ大変そうですけど・・・
(4) SFのコミカレや大学(院)に入って卒業する
オススメ度: ★★★☆☆
気の長い話かつ茨の道なのですが、USの学校を出てそこから就職活動をするってのはこれからUSだけでなく世界で働くにはかなり有用だと思います。
(5) 行って探す
オススメ度: ★★☆☆☆
ここで実際に仕事を見つけられる学生は本当のツワモノです。きっとどこでもやっていける事でしょう。
ビザの話
USで働くにあたって重要になるのがビザの問題です。ビザ関連はかなり時間をかけて調べました。USのビザは世界で一番難易度が高いと言われており、これも外国人の学生が就職活動するには不利になっている要因の一つです(まあ当たり前か)。
私はインターンで働くことを目的としていたのでJ1ビザをサポートしてくれる会社を探していたのですが、USの会社の人はあまりビザのことを知りません。言われてみれば自分も日本のビザに関して全然知りません。ですのでそもそも外国人を雇った実績のある会社以外からは「ビザよくわからねえ」みたいな感じで断られていました。
SFでの生活
物価が高くて貯金を使い果たしてしまったのですが、SFでは概ね快適に生活できました(真昼間にめっちゃ近所で人が銃殺されたりたまに銃声っぽい音が聞こえたりしてて不穏ではあった)。
これもまた人の紹介で見つけたダウンタウンのPowell Street Stationのすぐ近くという最高の立地のモーテルに滞在していました。家賃は12万円/月でした。あの辺りはめちゃくちゃ物価が高いのでこれでも超格安です。
モーテルの隣にあったChipotleってチェーンのメキシコ料理屋がめちゃくちゃ美味しくてほとんど毎日通ってました。1食$8くらいでお腹いっぱい食べられて最高でした。
ミートアップがない時はWorkshop CafeやAWS Loftでコード書いたりに知らない人と話してたりしてました。
SFにあるデカくて赤い橋。帰る直前にとりあえず一人でフラッと行った。
まとめ
帰国してからしばらくDocerconでお世話になった@toriclsさんのところで働かせてもらっていて、今は@toriclsさんの紹介で@yoshidashingoさんの元で働いています。
記事の中ではどこの会社からも内定(?)が貰えなかったみたいに書いたのですが、実は1社もらっていました。しかし、メールで勤務地を尋ねたところ「勤務地は南米です」との返事が返ってきたので色々と考えた末に辞退しました。
チャレンジは成功するまで続けるからこそチャレンジなので、そもそもこれはただの旅行だったというのが正直な感想です。次こそは満足する成果が得られるまでやりたいです。