最後まで聞いてもらうためのプレゼン技術

私がスライドを作るときや発表をする時に意識している事を具体的な作成例と共にまとめました。この記事を書いたのは「これ違う」とか「こうした方が良い」とか「お前それ実践できてなくね?」とか他の人の意見が聞きたかったためなので、思うところがあったらなんでもコメントください。

なお、この記事を書こうと思ったきっかけは最近いろいろと発表してて手応えが無い事が多いなと思う事が増えて一旦自分の発表に関してまとめたく思ったためです。

0. 目次

  • 1 スライドを作る時
    • 1.1 聴衆を迷子にさせない
    • 1.2 文字を少なくする
    • 1.3 図を入れる
    • 1.4 強調したい単語は太字や赤字にする
    • 1.5 スライドは絶対戻らない(言いたいことは繰り返す)
    • 1.6 体験に基づく事例やたとえ話を入れる
    • 1.7 1枚のスライドで話しすぎない
    • 1.8 デザインの基本的な原則は守る
    • 1.9 時間は絶対オーバーしない
  • 2 発表するとき
    • 2.1 ゆっくり話す
    • 2.2 「えー」「あー」「まあ」を言わない
    • 2.3 声を張る
    • 2.4 聴衆を見る
    • 2.5 喋るときは手などを動かす
    • 2.6 自己紹介は名前とアカウント名と一言

1. スライドを作るとき

まず、発表前段階のスライド作成に関してです。

1.1 聴衆を迷子にさせない

一番大事なのがこれです。長めの発表だと特にこれを意識して資料を作ります。発表を聞いているときにふとメモを取ったりTwitterハッシュタグを追っかけたりして、一度発表から注意を逸らしてから再びスライドを見たときに何の話をしているかよく分からなくなるとその場で発表を聞かなくなってしまう事があります。

これはスライドに章と節番号を振って載せる事でだいぶ改善されると思います。

1.2 文字を少なくする

伝えたい事を1スライド一言で伝え、小さく下に補足として文字を入れます。

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1.3 図を入れる

どんなに適当なものでもいいので図を入れましょう。これだけで一気にスライドを見る気がおきます。本の挿絵なんかと同じですね。(以下の図、あんまり分かりやすくはないですが)

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1.4 強調したい単語は太字や赤字にする

強調したい部分とそうでない部分に差をつけてメリハリを付けると分かりやすくなります。さらに、言いたい事を強調しておくと発表の時にその部分を強調して言うぞ、というメモにもなります。

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1.5 スライドは絶対戻らない(言いたいことは繰り返す)

スライドを戻ると「え?今どこいった」ってなって混乱する事がよくあります。スライドを戻って説明する予定なら同じスライドを挟むか、スライドのスクショを挿入しましょう。そして前と同じことが言いたければもう一度言いましょう。

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1.6 体験に基づく事例やたとえ話を入れる

具体的な事例があると聞いている人たちは自分の身に置き換えて考えてくれるので分かりやすくなります。

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1.7 1枚のスライドで話しすぎない

スライドに動きがないと眠くなってしまいます。1枚のスライドで話すのは最大3分程度がいいと思います。それを超えるのであればスライドを複数枚に分割しましょう。

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1.8 デザインの基本的な原則は守る

ノンデザイナーズデザインブックってあるじゃないですか。あれに書いてある原則はしっかり守るというのが基本だと思っています。例えば以下のような事を私は意識しています。

  • レイアウトを規則的にする(反復)
  • コンポーネント配置の縁を揃える(整列)
  • 人の視線がZを描くように進む事を意識する(近接?)
  • 色は3つまでで6:3:1くらいの割合にする(コントラスト)

1.9 時間は絶対オーバーしない

発表で絶対してはいけないのが時間をオーバーする事です。

そもそも運営からすると時間オーバーは迷惑になることが多いです。

目安として私は10分以内なら発表枠の15秒前に終わるくらいに調整、30分以上なら2分くらい、60分以上なら5分くらい、また、前の発表者の時間が押しそうな事が分かっている会ならもっと短くしてもいい、という感覚で資料を作っています。

また、時間をオーバーしないために発表練習をする事が非常に大事になってきます。練習回数は自分のモチベーションや(想定される)聴衆のモチベーションによって変わりますがどんな発表でも15分程度の短い発表なら2-3回、30分以上だと1-2回は最低練習します。

2. 発表する時

次に、実際に発表する時に関してです。一番のコツは「堂々と発表する」事にあります。以下のことを気をつけたら堂々とした発表になるのではと思います。

2.1 ゆっくり話す

緊張していると早口になるのはよくある事です。よって発表中は自分としては多少ゆっくり喋っているつもりでも、後から聞くと実際は早口になっている事はよくあります。ですので発表する際はめちゃくちゃゆっくり話す事を心がけましょう。

2.2 「えー」「あー」「まあ」を言わない

正直緊張するとどうしても出てしまうところもあって多少はしょうがないのですが、なるべく言わないようにしていきましょう。私はこれらの遊び言葉を言いそうになる時には抑えて一瞬無言になる方を選んでいます。

2.3 声を張る

声を張ってハッキリと話すと聞いてくれる人は増えます。私はマイク無しでも声が会場に通るくらいの声量で話す事を意識しているのですが、このせいでよく最初マイクを使うのを忘れてしまいます。

2.4 聴衆を見る

話すときはちょくちょく聴衆に視線を送ります。ずっと画面見ながら発表するとやる気無いように思われてしまって聴衆の心も離れます。

2.5 喋るときは手などを動かす

これはプレゼンのコツなどでよく言われているのですが、発表中に棒立ちで口だけ動かすよりも身振り手振りを含んで表現した方が聴衆は聞こうと思ってくれます。

2.6 自己紹介は名前とアカウント名と一言

自己紹介スライドなどをスライドの最初の方に入れる事はよくあります。しかしスライドは多少作り込んでいても実際に発表する時は端的に短くがいいです。

3. 良いと思ったスライド、発表

まず、schooでの授業資料です。以前(4年前くらい?)見てとても印象に残っていたが全然見つからなくてめちゃくちゃ探して見つけました。最後の方にある「(導入前に相談できる)人います」ってスライドが本当にいいです。画像にインパクトがあって面白いし伝えたいポイントを繰り返しているのが本当に凄いと思いました。

www.slideshare.net

また、私は東大の越塚先生のプレゼンに少し影響を受けています。1ページあたりの情報量が多くなくキーポイントがまとまっていて話も面白く、最初に先生の話を聞いた時、これこそ伝わるスライド・伝わるプレゼンだと思いました。

www.youtube.com

4. 自分の発表

上のような事を意識して作った私の実際のスライドを載せておきます。

まず、先日のdevelopers boostで発表した資料です。発表時間は20分程度で、授業や学会と比べて結構ふざけたノリでやっても良さそうだったので少しゆるめに作りました。

次に大学院の授業の輪講で使った資料です。論文の輪講はアカデミック寄りなのでどうしても文章が多くなってしまっています。発表時間は60分程度で、聴衆は先生と大学院生です。

5. 参考リンク

発表のべからず集です。ひたすら同意です。 blogs.itmedia.co.jp

これもべからず集です。

今回の具体例作成には 走れメロス/太宰治 を参考にしました。 www.aozora.gr.jp