本: 脱資本主義宣言

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読みながら書いた感想の放流。

感想

学びが少なかった。

はじめに

衣食住の衣と食の多くを輸入品に頼っている事から分かるように、日本はとにかくお金を右から左に流している。

労働者階級から見た搾取への不満が書かれてる。

国家の維持にはお金が必要。だからもし搾取する側を引きずり下ろすと、国を維持するには今まで上位1パーセントの搾取する側が納めていた多額の税金も等分する必要があるのでは?こうすると結果的に市民は貧しくなるのでは?

「我々の体液が塩辛いのは、海にいた頃の名残りであり、つまり我々の血管を流れているのは海の水だ。」とか書かれててもう怪しい。

カネで失った繋がりもあればカネで得た繋がりもあるのでは?うーん一方向的だなあ。

1章

自分の感情を犠牲にして遠く離れた見知らぬ国の人たちに同情するのは異常。そういう人はたぶん何かに騙されてる。1次、2次ソース以内の情報でものを考えたほうがいい。

全体的に遠く離れた誰かの心配が多い。この本の思想で恩恵を受けるのが自分でも自国でもない印象。

税金がなければ国が立ち行かない事について言及がない。これを前提として国も消費を煽っているわけで。全体的に「その先の現実」に関しての追求がされてない事を見るに、書かれている内容が現実になったら結果として悪いことになりそう。

原発の話も多国に売り込むことへの言及はあるけど石油石炭が取れない代わりのエネルギーとして有用に使うという話は無視されてる。他国からの輸入を減らせるはずなんだが。

労働者階級にとって大事なのは日々の生活で、この生活が脅かされなければ問題ないはずなのに何故か怒っている。

西洋至上主義への違和感というのは、分かる部分が大きい。

筆者は人道主義者(そういう言葉があるかは分からないけど)なのだろうか?

2章

日本とアメリカの車の平均車齢と平均走行距離を比べてどちらも短いから「日本は車も使い捨てている」って言ってる。でもアメリカだだっぴろくて日本は狭いので、日本の車はスタートアンドストップが多いために車齢が短くなっているのではない?数字だけで言い切りが過ぎるのでは?この本全体で、こういう数字の理由が示されていないのに結論を言い切っているのが多くて信用ならなく感じる。

問題点の指摘は分かったから「俺が考える最強の解決策」を知りたい。問題点を述べているばかりで結論が無い。

3章

資本主義とは何か、の説明の部分でも文句が挟まっていて「ちゃんと説明してくれ・・・」って思う。

ようやく結論っぽいことが出てきたけど「カネや経済により依存しない、他の生き物に近い生き方を目指すべきだ」って、つまりどういうことだってばよ。

4章

「この世界の"本来の仕組み"を確認しておきたい」ってあるの怖すぎる。ちゃんとした説明なのかトンデモ説明なのか。

人間界は自然界の一部にすぎない、と書かれているのと同じように、企業もただの人間の群れでしかないと思う。

まとめ

全体的に一方向からのみの意見で説得力が無い気がする。間違ったことは言っていないが正しいことも言っていない、という感想。

この著者、「いかに日本人が"現実"というものを見ていないか」という態度で日本人全体を見ている。周りが全員馬鹿に見えているのかもしれない。

この本、「日本人は知らない不都合な真実」とかのタイトルのほうが良かったのでは?著者の文句本。

文章全体的に「」と""が多く使われていて、論拠じゃなくて印象による結論の誘導をしているように思う。

本の装丁とタイトルはとても魅力的。

「脱資本主義宣言」というタイトルだからてっきり「現状の資本主義のこういう問題に対して共産主義を取り込むと国家と市民に最大の利益をもたらすだろう」みたいなことが書かれているかと思っていた。違った。

いろいろ合わない部分が多いからと言って批判的に読みすぎたかもしれない。

この人生き辛いやろうなあ、って思いながら読んでたらあとがきで辛いって言ってた。